山の池

山の池


山の池。

農業や人々の暮らしに大きい恵みをもたらす中で、営々と維持管理してきたが、ひとたび決壊すると大きな被害をもたらす溜め池。
制度が変わり、県が監視、溜め池管理者を届け出ることになった。

管理者が決まらない。
聞けば、県内最後に残った問題の溜め池だという。

ここ数日、市の職員と地元、松山市内など数人の関係者を訪ね、一人一人のお声を伺った。

うめき声と怒りのように聞こえて来るのは、高齢となり、あとを継ぐ者もなく、諦めにも似た農業、自分たちの未来。

それは、あんなに頑張って地域や家族を守ってきたプライドの裏返しでもあろう。

車中、市の職員とも色々な話をした。

「ようやった!」と、最後に押してくれたあの方の、判の重みは忘れまい。
また話を聞きに行こう。

この先は闇か光か。
こんな小さな池でも、大きく輝く時が来るかも知れない。
今は、明日へつなぐための第一歩。