山里の米 豊作とは

山里の米 豊作とは

山の米 豊作とは。
整備してもこのような棚田で米を作っています。大切な資源です。

「今年のお米の出来、どうでした?」
とよく聞かれます。
実はこの答え、結構悩むんです。🌀

「いいお米ができましたよ。相変わらず収量は良くないですけど」みたいなトンチンカンな答えをすることになります。

たわわに稔る稲、収穫量を競いあった時代、山の米の反収はどんなに頑張っても8俵止まり。しかも厳しい労働や気候、ほ場の条件。
畝一俵と言われる、反収10俵もある平地の米。政府買入米の価格は同じ。自分で売ることは違法で、やっぱり山はダメだなと情けない思いをしたものでした。
わずか20年ぐらい前のことです。
それでも、米関係者は知っていたんでしょうね。我が地域の米は、「三内米(みうちまい)」と言われて珍重されていました。

時は移り、食関法が廃止され、自ら米の値段を付け売ることができるようになり、山の米とそれを産み出す風土の価値を知ることとなったのです。

しかし、世間はいまだ相変わらずの豊作信仰。
いまだに時代遅れの作凶指数、等級検査。
山の農家はまだ気づいていない山の米の価値を。

農家に責任はないんだけど、しっかりいい米を作り、風土に誇りを持って、一工夫して米を売れば、地域は生き残ると思うんです。